アンダーグラウンド音楽夜話

「ありきたりな音楽に飽きた」 そんな方のために、農作業の傍ら音楽の世界を掘り続けてきた主がニッチでディープなアーティストをジャンル問わずご紹介します

Primus - ありきたりな音楽に飽きたヤツは真っ先にこれを聴け!【オルタナティブロックの名盤・おすすめアルバム】

 

突然ですが、あなたは臭い食べ物は好きですか?

 

今回ご紹介するプライマスは、分かりやすく例えるなら音楽界のくさや

めちゃめちゃクセがあるから最初は嫌悪感を示す人が多いんだけど、回数を重ねて聴いいていくうちにみるみるハマっちゃう、そんな不思議なバンドです。

「怖いもの見たさ」ならぬ、「臭いもの嗅ぎたさ」的な好奇心をそそられた人は、是非読んでみてください。

きっと、読み終わった頃には、プライマスの独特すぎる世界観にハマってるはず。(保証はできかねるが)

 

変態的な音楽性

 

ロックという括りで紹介されることが多いけど、彼らほど何らかのジャンルに当てはめるのが難しいバンドは他にないと思う。

分かりやすく言えばファンク+メタル。

あと、バンドの世界観を一言で表すなら「変態」。これに尽きる。

 

Tommy the Cat

Tommy the Cat

  • provided courtesy of iTunes

プライマスの代表曲「Tommy the Cat」 。

 

僕がいつも口惜しく思うのは、このバンド、海外での知名度と、日本での知名度の差が凄く激しいんだよね。

海外では大規模なロックフェスにたくさん出演しているし、ツアーも頻繁に行っていて物凄い集客力を持ってるんだけど、日本での人気はいまいちというか。

もちろん日本にもファンはたくさんいるし、過去にはフジロックにも出演しているんだけど、やっぱり海外での人気ぶりに比べると「だいぶ過小評価されてるな~」と思う。

実は僕、カナダ(トロント)に留学していたときに彼らのライブに行く機会に恵まれたんだけど(ライブの体験記は後述します)、熱心なファンが多くて、「本当にたくさんの人に愛されてるんだな~」って感じたのをよく覚えてる。

 

サウンド面では、ベースとボーカルを兼ねるフロントマン、レス・クレイプールがこのバンドの肝であり柱。

超絶技巧なんだけど、奇怪としか形容できないベースライン。

そして、呪文のような、お経のような、人をおちょくっているとしか思えないふやけた口調のボーカル。

冒頭で言及したように、初めて聴くときは嫌悪感を覚えるかもしれないけど、そんな人でも何度もループしてみると不思議とクセになってくるんだよね。

実際、僕も友達におススメして、そいつ最初は「生理的に受け付けない」って言ってたくせに、今ではすっかりプライマスファンだからねw

 

あと、これ本当かどうかは分からないけど、レスはライブの時、ケンタッキーのフライドチキンを素手でベタベタ触って、手を油でギトギトの状態にしてからステージに上がるらしい。

こうすると、ベースが弾きやすくなるんだって。意味分からんw

 

彼をサポートするドラムとギターも超絶技巧で変態的。

何回かメンバーが代わっているんだけど、どの時期のプレイヤーも一級品の腕前で安定感抜群だから、スリーピースバンドならではのタイトなグルーブ感も楽しめるかと。

 

ライブに行ったときのお話し

 

それでライブに行ったときの話なんだけど、たぶん1万人くらいかな? 大きなライブハウスに凄い数の観客が来てて、ライブが始まる前からみんなハイテンションで「Primus sucks!」(プライマスはクソだ!)ってコールしてるんだよねw 

こんなコールを受けてステージに出てくるバンド、世界でプライマスしかいないと思う。

 

肝心の演奏はというと、やっぱりね、生で聴いてみて、「この人たちは本当に真面目なんだな」って再確認した。

特にベースの音がとてもカッコよくて、レスの音作りに対する並々ならぬこだわりが伺えたし、曲が代わる度にベースを持ち替えていて、一曲一曲に対する思い入れの強さも伝わってきた。

演奏中何回もPAジェスチャーで指示を出していたのも印象に残ってる。

やってることは変態だけど、中身は超真面目なんですわ。そこが最高にかっこいい。

 

おススメのアルバム

 

☝そんな職人肌でユニークなレス率いるプライマスで一番おススメのアルバムは、2枚目の「Sailing the Seas of Cheese」

 

John the Fisherman

John the Fisherman

  • provided courtesy of iTunes

☝僕がアルバム収録曲のなかで一番好きな曲「John the Fisherman」。この曲も非常にカッコイイです。

 

耳に残るフレーズが一番多く出てくるのはこのアルバムだと思うんで、とりあえずここから聴き始めて、ハマったら別のも聴いてみるといいかも。

 

この記事を読んで、日本に少しでも多くのPrimusファンが増えますように!

 

それでは今日はこの辺で! Thank you for reading.